使用済み核燃料貯まる一方 原発は「トイレのないマンション」
Posted by menfashion on Monday, June 20, 2011
アバクロ 東京電力福島第1原子力発電所の事故で、保管していた核燃料の問題がクローズアップされた。 政府は使用済み核燃料を再処理して再び燃料とする「核燃料サイクル」を進めてきたが、肝心の再処理施設は稼働が遅れに遅れ、最終的な処分場も決まらぬまま、使用済み燃料がドンドン貯まる一方だ。今回の事故がこれに影響を与えるのは確実で、「トイレのないマンション」ともいわれる原発の弱点が改めて問題になっている。■再処理工場はトラブル続発で完成20回も延期 福島では、原発の建屋の上の方にプールがあって、そこに使用済みや定期検査中に一時取り外した燃料棒が水につかって保管されていた。 今回の事故で、この事実を知った国民がほとんどだろう。これが損傷し、大量の放射性物質を放出しかねない危険な実態が白日の下にさらされた。 それ以上に問題なのは、その先の使用済み燃料の処理だ。原発内で温度を下げた後の燃料は、電力会社などが出資する日本原燃(青森県六ケ所村)に運ばれる。ここの再処理工場で溶解され、取り出したプルトニウムはウランと混ぜて「MOX燃料」に加工して通常の原発で再び燃料として使用する「プルサーマル」を進めることになっている。 しかし、再処理工場は試運転を始めたものの、トラブルが続発して完成は20回も延期され、稼働予定は当初の1997年の予定から遅れに遅れて2012年10月予定にずれんでいる。このため、福島第1(2号機)、九州電力・玄海、四国電力・伊方の3原発で海外製のMOX燃料を使い始めているところだ。■むつ市の備蓄センター予定通り完成できるか そんな状況だから、使用済み燃料は貯まる一方だ。再処理工場内の一時貯蔵施設は容量3000トンのうち2800トン余りが埋まっていて満杯に近い。東電などが中間貯蔵する備蓄センター(3000トン規模)を青森県むつ市に建設中で、2012年7月完成予定だが、事故を受けて地元が受け入れるか、懸念する声が出ている。再処理工場が稼働しなければ、備蓄センターがなし崩し的に最終的な貯蔵場所になりかねないからだ。 そうなれば、原発にそのままため込んでおくしかないが、原発内のプールや貯蔵設備もそう余裕はない。容量に対して、2010年秋時点で平均66%が埋まり、猶予は5年程度といわれる。 菅直人首相は2011年5月17日に、共産党の志位和夫委員長と会談した際、核燃料サイクルについて、 「再処理施設に持っていくサイクルが機能しない状況になっている。それも含めてエネルギー基本計画を白紙から見直したい」と表明したという。「プルサーマル」はエネルギー資源に恵まれない我が国のエネルギー政策の根幹とされていたが、根本的に見直すしかない状況に追い込まれている。東京電力福島第1原子力発電所で復旧作業にあたっている東電社員2人が、緊急時の上限250ミリシーベルトを超える被ばくをしていた疑いが強まった。しかも、放射性物質を体内に取り込む「内部被ばく」が大半とされる。取材に応じた作業員らの証言からは、現場の汚染がひどく、対策が追いつ 検察側のみ全文提供=布川事件の再審判決―弁護団「公正疑わせる」・水戸地裁支部 ついていない実態が浮かぶ。労災問題の専門家は「このままでは健康被害が深刻化する」と警告している。【町田徳丈、池田知広、日下部聡】 「放管」。作業現場に元請け会社などから派遣される「放射線管理員」はそう呼ばれるが、下請け会社のベテラン作業員(64)は「最近、放管が来ないケースが増えている」と話す。 放管は、作業員が過度の被ばくをしないよう現場で放射線量を計測し、平常時なら汚染レベルの高い区域での作業には必ず同行していた。だが、今は朝のミーティングで元請けから前日の調査結果を知らされるだけで、放管が同行しないこともしばしばという。「高線量のがれきが転がっていて(放管が同行しないと)不安なんだけどね」と男性は言う。 40代の男性作業員は「放管がいないと自分がどのくらい放射線を浴びているのか現場で確認できない」とこぼす。線量計は防護服の内側に付けるために見られず、積算線量が上がったことを示すアラームが鳴っても全面マスクのため聞こえないこともある。緊急時の作業における被ばく線量の上限は以前の100ミリシーベルトから震災後は250ミリシーベルトまで引き上げられた。男性は「どんどん上げられて、怖いですよ」と漏らした。 放管の男性(56)は「自分たちが同行していないと、現場で急に線量が上がった時に対応できない。汚染区域が広過ぎて放管の数が足りない」と懸念する。 内部被ばくについても、多くの作業員から不安の声が上がる。下請け会社の男性(28)は「全面マスクを顔に密着させると、締め付けられて頭が痛くて仕事にならないから緩めに着ける人が多い。だから隙間(すきま)から(放射性物質が)入り込む。装備にも問題があるのでは」と指摘する。 放射線量の上限については元請けや下請け会社のほとんどが数十~100ミリシーベルトと独自の基準を設ける。ある元請け会社の幹部は「250ミリシーベルトの東電社員が一番厳しい環境に置かれているかもしれない」と話した。 原発の労災に詳しい片岡明彦・関西労働者安全センター事務局次長は「マスクの装着状況など内部被ばくに対する防護がずさんだった疑いがあり、チェック態勢を強化する必要がある」と指摘。緊急時の上限については、過去に労災認定された原発作業員の大半の総被ばく線量が100ミリシーベルト以下だったことを挙げ「少なくとも引き上げ前に戻し、国と東電は綿密に健康リスクを考慮しながら作業計画を立てるべきだ」と訴えている。 ばかみたいななれ合い=内閣不信任案否決で―石原都知事